ATTEMPT#03

地域資産の再生と
価値創出による
エリアの賑わいづくり

エリアを象徴するロケーションでの数々の挑戦

PROJECT OVERVIEW

これまで培ってきたホスピタリティやアイデアを活かして、地域の歴史的資産や未活用施設に新たな命を吹き込むクレ・ドゥ・レーブ。大阪最大級の都市公園や万博時の迎賓館、築100年以上の歴史的建造物などさまざまな場所において、レストランやカフェ、結婚式、イベント開催などを通じてエリアに賑わいを生み出す取り組みを行っています。

国際博覧会の迎賓館を、人々の祝福の場所へ

1990年に行われた「国際花と緑の博覧会(花博)」において、皇室を含め国内外の賓客をもてなした迎賓館。万博後はあまり利用されていなかったこの場所に、クレ・ドゥ・レーブが携わることになったのは、大阪市による迎賓館利活用の公募がきっかけでした。

大阪市内とは思えない豊かな自然と格式ある建物、歴史を活かして、2011年に「鶴見ノ森 迎賓館」を開業します。
まず迎賓館本館の建物自体には、大きく手を加えずリノベーションを実施。チャペルなど新設したスペースも、年月を経て育った森の大木を生かした設計にするなど、自然との調和を図りました。また貴賓室に残されていた、花がモチーフの家具やシャンデリアを活用し、博覧会当時の写真も飾るなど、ゲストへのおもてなしの中で“この場所が持つ歴史”を感じられるように。

結婚式においても「花と緑のウェディング」をテーマに、最初の打ち合わせからフローリストが参加したり、庭園の池を使ったボート入場やピクニック撮影など、花博のコンセプトが息づく演出を数多く提案。鶴見緑地を愛する地域の方々からも多く利用されてきました。

鶴見緑地にさまざまな人が訪れるパークカフェ

さらに、公園全体の魅力を広げる場として新たにオープンしたのがカフェ&レストラン「BOTANICAL HOUSE」です。約120ヘクタールと広大で、散策をされる方も多い鶴見緑地の中心地に飲食拠点を設けたことで、公園に新しい人の流れが生まれました。

こちらでも大切にしたのは、花博ゆかりの場所であること。ハーブやエディブルフラワーをあしらったメニューを用意し、花博記念公園の魅力を存分に体験できるパークカフェとして毎日営業。犬の散歩ついでに立ち寄られる地元の方や、SNSを見て遠方から来られる方など、その層は老若男女を問わず、公園の指定管理者からも“賑わい作りに貢献している”と評価されています。

神戸随一の日本庭園を、世代問わず愛される場所に

100年以上の歴史があり、重要文化財を複数有する名勝地・神戸市立「相楽園」。その敷地内に佇む迎賓施設「相楽園会館」を改修し、誕生したのが「THE SORAKUEN」です。
コンペを経てこのプロジェクトを任されたクレ・ドゥ・レーブは、「伝統と革新」をテーマに、相楽園や会館の伝統を活かしつつ、革新を遂げながら時代に合った新しい魅力を生み出すことにチャレンジしました。建物は歴史を活かしたリノベーションを行い、庭園を間近に感じられる屋外テラスを新設。結婚式やパーティー、レストランなどの特別な時も、またカフェなど日常においても、相楽園の魅力と共に利用できる複合施設として開業しました。

また「KOBE GATHERING」と名付けた取り組みでは、港町・神戸の多様な文化を世代、国籍を超えて楽しめるよう、地元食材や生産者、職人たちとコラボレーションしたイベントを開催。神戸の地域愛を育み、文化が交流し発信していく拠点として相楽園の認知拡大にもつながっています。
以前は年配層の来園者が中心だった相楽園に、今は若いカップルや家族連れなど、幅広い層の方々が訪れるように。今後、元町や三宮、北野の観光エリアをつなぐスポットとして、庭園とともに更に「相楽(あいたの)しめる」場所となることを目指します。

大阪最大の公園で 心のウェルネスを届けるレストラン

「日本の都市公園100選」や「日本の歴史公園100選」に名を連ねる、大阪府最大規模の公園・服部緑地。そのリニューアルが進む魅力向上プロジェクトの一環として、公園内にオープンしたのがイタリアンレストラン「sasa」です。

既存レストランの建物躯体を再利用しながらリノベーションし、魅力的な空間に一新することで、地域の賑わい創出とサステナブルな未来に貢献したい。そうした考えから、このプロジェクトに参画。公園全体で掲げる「心・体・社会のウェルネス」に対して、sasaにおいては「心のウェルネス」をテーマに運営しています。

「料理で心も元気になるように」と語るシェフが手がけるのは、地元の野菜をふんだんに使い薪火で仕上げた、心にも身体にも優しいイタリアン。お客様からも「体が軽くなった」といった声が届くなど、美味しさと心地よさが一体となった新しい食体験が広がっています。
鶴見緑地での実績も評価され、公園全体の指定管理者と連携しながら進める賑わい作りは、今後さらに地域に開かれたイベントを開催するなど、服部緑地の魅力向上に向けてさまざまなチャレンジを行っていく計画です。

築110年以上の歴史的建造物から、未来へつなぐ想い

そして2025年春、大阪・北浜にオープンした「NELU 高麗橋」。“日本近代建築の父”と称される建築家・辰野金吾氏が設計した、歴史ある旧大阪教育生命保険ビルをリノベーションしたフレンチレストランです。

これまで自然豊かなロケーションに展開してきたクレ・ドゥ・レーブにとっては、都市部での新たな挑戦でもあります。大阪のビジネス街に集まる企業や団体からの要望に、ホスピタリティのプロフェッショナルとして応えながら、このエリアを盛り上げていきたい。そして、この歴史的・文化的価値の高いレンガ造りの名建築を、しっかり未来へとつないでいきたいと考えています。

地域・次世代に貢献するために

これまで、神戸・大阪のシンボリックなロケーションにおいて、私たちが取り組んできた数々のプロジェクト。行政や企業、そして地域の方々と柔軟に連携しながら、それぞれの場所や歴史に応じた施設の在り方やコンテンツを一から考え提案してきました。

飲食店や結婚式場の運営という枠組みを超えて、「この場所でどんな体験をつくるか」「この街にどんな価値を生み出すか」を考え抜き、現場で働くスタッフとともに、心の温度が上がるサービスを追求しています。

今後もホスピタリティのプロフェッショナルとして、知見を深めながら新しい価値を模索し、地域の未来をもっと豊かに彩るための挑戦を続けていきます。

TALK MEMBERS

  • 野口 直行

    SOLA KOBE ゼネラルマネージャー

    これまで「鶴見ノ森 迎賓館」の責任者として、万博の迎賓館だった魅力を生かした会場づくりを牽引。現在はSOLA KOBEのGMとして、神戸の景観や地域文化を活かしたホスピタリティの形を追求している。

  • 山下 琢也

    ブライダル事業統括ゼネラルマネージャー

    THE SORAKUEN、sasa、NELUのGMを歴任し、地域資産の再生と価値創出をテーマに数々のプロジェクトを推進。NELU高麗橋の開業においては、コロナ以降数年にわたり閉館していた歴史的建築物を再生し、街に新たなあかりを灯した。

  • 宮地 卓也

    BOTANICAL HOUSE 店長

    クレ・ドゥ・レーブのスタッフが持つ特性や熱量を理解し、現場からチームを支えるリーダー。BOTANICAL HOUSEでは店長として、地域と人が交わる場を日々運営しながら、賑わいづくりの現場を肌で感じている。

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